第33章

ロゲスト公爵は、あのノートの重要性をあらためて胸に刻んだ。同時に、アレシアの変化を素直に喜んでもいた。ほんの短い時間で、見たこともない魔法を実際に使ってみせたのだ。才能があるだけではない。努力もしている――それがはっきりと伝わってくる。

本来なら今朝のうちに皇帝へ報告するつもりだった。だが、ふと冷静になって思い直す。

今日は自分の動きを隠していない。執事に呼び戻され、屋敷にいたのはアレシアだけ。この状況で「従魔契約」の件を持ち出せば、どこかの誰かがアレシアへ疑いを向ける可能性がある。ならば、少し寝かせたほうがいい。

そもそも、アリシアが魔蜘蛛の卵を買い集めている件も、勘のいい者なら結び...

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